どんな人にも生きる意味があると説かれた親鸞の教えとは

良い縁と悪い縁の見極め方。すぐ判断できる方法とは

2020/11/19
 
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菊谷隆太
こんにちは、菊谷隆太です。 東京、大阪、名古屋を中心に仏教講座を主催する仏教講師です。 専門は浄土真宗で、「教行信証」「歎異抄」を学び、皆さんにもお伝えしています。 このサイトは「どんな人にでも生きる意味がある」と宣言された親鸞という方の教えを知っていただきたいと思い、開設いたしました。

「この人と結婚したらいいか」
「この人と離婚すべきか」
「私にとって良い縁とは何か」
悪い縁とは何だろうか」
こういうことに悩む人は多いと思います。

今回は良い縁と悪い縁について、仏教でどう教えられているか、お話ししてまいります。

 

プロポーズされた。これは良い縁なんだろうか

 

29歳の女性の方から、こんなお尋ねがありました。
(匿名のため、一部、変更しています。)

最近、プロポーズされました。
仕事も辞めたかったのと、年齢のこともあり、ホッとうれしい思いもあった反面、本当にこの人でいいのか、後悔しないかと躊躇する自分がいます。
それから2週間、幸せな気持ちになれず、「これでいいのかな、でもこれを逃したら‥」と悩む日が続いています。
友達に相談すると、「迷いがあるなら止めた方がいい」と言う人もあれば、「完璧にぴったりの相手はないし、あの人はいいよ」と言う人もあり、迷いが深まるばかりです。
よければアドバイスお願いします。

こういう悩みを抱えている方は多いのでしょう、時々受けるお尋ねです。
ただ私にアドバイスしてくれとといわれても、結婚相手がどんな人かによって、アドバイスは大きく変わります。
また相談されてるこの方がどんなお気持ちなのか、によってもアドバイスは変わります。
プロポーズを受けるべきかどうか、今の私の情報量でこの方に「イエス」とも「ノー」とも無責任に答えられません。

 

それでもアドバイスできることがあるとしたら、友達の意見はよく聞いた方がいいと思います。
この方が相談されている友達は私よりも、相談者の気持ちと結婚しようとしている彼の言動を知っていて、アドバイスするのでしょうから、その意見は傾聴に値します。

 

しかしこの方が言われるには、友達の意見も両方あるとのこと、そうなると迷われるのもわかります。
友達全員「あの人だけは止めとけ!」と言われたのなら決めやすいです。
あるいは「あんないい人いないよ、あなたを幸せにしてくれるよ」とみんなが勧めてくれる人なら、また決めやすいです。
この方の場合は、友達の意見も「迷いがあるなら止めた方がいい」と言う人と「完璧にぴったりの相手はないし、あの人はいいよ」と言う人もあるそうなので、そうなると難しいところです。

 

ここで紹介したいデータがあります。
ショック受ける人もある「閲覧注意」のデータです。
総務省「国勢調査」のデータですが、

30~34歳で結婚した人の割合は31.3%、
35~39歳で結婚した人の割合は10.8%。

35歳を過ぎると結婚した人の割合が、ガクッと落ちることが分かります。
40代に入ると、結婚した人の割合は、怖すぎて公表できません。

 

こう聞くと、チャンスはそんなにやってこないことがわかります。
ならばここは思い切って結婚した方がいいのかな、とも思いますが、一方でこんなデータもありました。
500人の既婚女性への雑誌アンケートの結果です。

「旦那選びを間違えた」53.8%
「生まれ変わったら今の夫と結婚したくない」57.8%

このパーセントを多いと思うか、少ないと思うかは人それぞれでしょう。
この旦那を選んでよかった、生まれ変わっても今の夫と結婚したいという人が半数近くいる、ということですね。
半分は成功、半分は失敗、となると、その半分には入れるかどうか、悩むのは当然です。
コーヒーにするか、紅茶にするか、という問題ではないですからね。
人生がかかっていますから。

 

A「旦那選びを間違えた」となるか、
B「生まれ変わっても今の夫と結婚したい」となるか
(1)AとBの差は何によってその差ができるのか
(2)どうすればBになれるのか、
仏教の教えに基づいてお話ししてまいります。

 

 

自分が引き寄せる良い縁と悪い縁

 

人間は、付き合う人(縁)によって、幸せにも不幸にもなる存在だとお釈迦さまは説かれています。
ならば、どんな人と縁を深めればいいのか、どんな人とは縁を遠ざけるべきなのか、その選択を誤らないことこそ、幸福の鍵となります。
特に結婚は今後の人生を共に進む人生の伴侶とのご縁なので、みな選ぶにあたって真剣でなかったはずはないのですが、それでも失敗する人が相当あります。
選択ミスをしてはならないと真剣であったはずなのに、選択ミスをしてしまうのですから、難しいです。
古今東西の人類を悩ませ続けてきた人類挙げての問題の一つといえましょう。

 

中には、夫のDV(家庭内暴力)と浮気で、地獄の生活を送る人もあります。
そんな時、奧さんは「何で私だけがこんな目にあうの?」「あいつのために、わたしの人生、めちゃくちゃにされた」と恨みますが、そんな粗暴な男がどれだけいても、その男と結婚さえしなければ奧さんはこんな目にあうことはなかったのですから「何で私だけがこんな目にあうの?」の答えは、やはり「あなたがその男を選んだから」の一言です。

 

世の中にはたくさんの男がいます。(35億♪)
その女性の前にも、何人もの男性が現われたはずです。
その数ある男性の中から「私はこの人と一緒になる」と選んだのは誰か?
もし違った人を選んでいたら、こんなことはおきなかったのです。
選んだ自分に原因があります。

 

「ではDV(家庭内暴力)と浮気で家族を泣かせるこの男は悪くないのか」という声が聞えてきそうですが、もちろん悪くない筈がありません。
その男は「悪い縁」なのです。
当然その男はしかるべき処罰を受け、更正してもらわなければなりません。
そんな男を放置していたら、今後も被害者が続出しますから、そうならないよう、社会全体でなんとかしなければならないでしょう。

 

しかしこんな暴力男がどれだけいても、自分が選びさえしなければ、自分に、今のような不幸な運命はおきなかったのです。
どこかでその男が暴れていたとしても、結婚さえしていなければ、どこかで暴れているというだけで、自分には関係なかったはずです。
やはり自分の選択が自分の運命を決めたのです。

 

では、誰と結婚したらいいのか、このプロポーズを受けるべきかどうかの際、正しい選択をするにはどうすればいいのでしょう。
それについてお釈迦さまは「良い縁を選べる人になりなさい」と教えられています。
「良い縁を選べる人になれといわれても、そうなれなくて困っているのに」と私たちは思いますが、仏教では「良い縁を選べる人になるために今自分がなすべきことは何か」についても説かれています。

 

 

良い縁を選ぶにはどうしたらいいか

 

何年か前、ある女性芸能人が覚せい剤常習の男と結婚し、自分も覚せい剤に手を染めるようになり、ある日、夫婦そろって覚せい剤使用が発覚し、逮捕されるという事件がありました。
夫が覚せい剤常習者だった場合、奧さんがいくら手を出さないよう自制していても、なかなか難しいのだと思います。
同じ屋根の下で寝食ともにする仲ですから、どうしても影響されてしまいます。

 

覚せい剤は再犯率が高いので有名ですが、その女性芸能人は、絶対に再犯しないという自己の決意を貫くためにまず断行したことは、夫との離婚でした。
その後、出所した元夫は、再犯でまた逮捕されていますから、離婚していなかったら、彼女自身も覚せい剤と決別することはできなかったのではと思います。

 

このように、どんな人と結婚するかによって、人生は大きく変わります。
悪い縁を選んだら、どんどん不幸になってしまいますし、良い縁を選んだら、次々と恵まれるようになっていきます。
そこでお釈迦さまは「良い縁を選べる人になりなさい」と教えられています。

 

では良い縁を選べる人になるにはどうしたらいいのか、その方法をお釈迦さまはいろいろと教えておられますが、今回はその一つ、「心施」を紹介しましょう。
「心施」とは“心を施す”と書き、心から「ありがとう」と言うことです。
どんな人でも心がけ一つでできる言動です。

 

「こんなことに努めるだけで良い縁を選べるようになるんですか」と思われるかもしれませんが、パワースポット巡りやパワーがあるとされるブレスレットを身につけるよりもずっとずっと効果てきめんです。

 

ちなみに「心施」のポイントは「心から」というところです。
口先だけの「ありがとう」は、心施とはいいません。
では心からの感謝の言葉を発するにはどうしたらいいのか。
そのために一にも二にも大事なのは、自分がどんなご恩を受けているのか、周りの人から何をしてもらっているのか、よく知ることが大切になってきます。

 

一度、自分は周りの人から何をしてもらっているのか、紙に書き出してみてもいいでしょう。
ある20代の女性は周りの人にこんな思いをもっていました。

父は、うざい
母は、うるさい
部長はえらそうだ
カレシは優しい

ところがその彼女が「周りの人から何をしてもらっているか」を具体的に紙に書き出してみたところ、こんな結果でした。

父は、4年間、大学の学費を出してくれた
父は、アパートの保証人欄にハンコを押してくれた
母は、いつもお弁当をつくってくれる
母は、昨日、頼んだテレビ番組を録画してくれた
部長は、希望のポストに異動させてくれた
部長は、昨日から、うちの課のバイトを1人増やしてくれた
カレシは1年前から、私に、金を借りている。
カレシは私の誕生日に、私に金を借りている

彼女は書きだしてみたその一枚の紙で、自分が心から「ありがとう」と言うべき人は誰か、を知りました。
さらにメモに書いたそのわずか数分の時間で、自分の本当に大事にしなければならない縁は何か、選んではならない縁は何か、わかったそうです。
本当にありがとうと感謝すべき人が分かると、自分が選ぶべき縁も自ずとわかってくるのです。

 

また「心施」に心がける人は、自分が良い縁を選べるだけでなく、良い縁が向こうから近づいてきます。
心から「ありがとう」と言う人は、好かれ、愛され、大事にされます。
ちょうど香りの高い花に、蝶や蜂が集まってくるようなものです。
花の方から蝶や蜂を追いかけなくとも、香りを放つ花には、蝶や蜂の方から集まってくるように、良い縁に恵まれるようになるのです。

 

 

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